
皆さん、こんにちわ!
山といえば街中に比べて「寒い」ということはなんとなくイメージはできても、数百~千メートル高度が違うだけで温度に差が出ることがなかなか実感しにくく、「雨具と念のためにあと一着くらい持って行けば大丈夫でしょ」くらいに思ってしまいがち。
特に夏山登山の準備中にモコモコして暑苦しいフリースを汗をダラダラかきながらリュックに詰めていると「こんなに暑いのにこんなものの出番なんて本当にあるんだろか?」思ってしまいます。
- 防寒着の必要性
- 基本知識を知りたい
- 防寒着の選び方
などを解説致します。
これから山にトレッキングに行くんだけどどんな服を着ていったらいいのか知りたい方は、是非最後まで読んで参考にしてみて下さい。
山で温度が下がる2つの法則

街中と山での標高差による温度差の関係には2つの法則性があります。
登山には必要な知識ですので、詳しく解説していきます。
- 高度が100m上がるごとに気温が0.6度ずつ下がる
- 風速1m/s増すごとに体感温度が1度ずつ下がる
というものです。
街中で気温30度の時、標高2000mの山の山頂では気温18度ということになり、さらに風速3m/s(そよ風くらいの強さ)の風が吹いているとすると体感的には更に3度さがって体感気温は15度と街中で感じる体感気温の半分くらいになってしまうということです。
ちなみに理科年表の東京の日最高気温の月別平均値では8月が30.8度で4月が18.4度なんだそうです。
このように街中から標高2000mの山頂に行くという事は8月から、4月にタイムスリップするのと同じようなものですから、それに備えた恰好をしなければなりません。
登山と服装の関係性

登山をするという事は「ときには雨が降ることもある寒い場所で長時間汗ばむ運動をする」ということなので、
- 動いている時は暑くて汗をかく
- 休んでいるときは寒くなってきて、汗をかいていることもあり更に冷えてくる
- 雨が降ったら濡れてしまって動いていても体が冷える
という特性があり、これにどのような服装で対処するのかがこの後ご紹介する防寒着に関する課題という事になります。
基本は4枚の重ね着

誰しも冬になれば街中でも3~4枚くらい重ね着をするものですが、トレッキングでもそれは同じです。
街中で分厚いダウンを1枚羽織って中はTシャツだけという人もいますが、トレッキングにおいては服の脱ぎ着によって温度調整をするのでそういう着方はせず、重ね着によって対応します。
その重ね着はその役割ごとにそれぞれつぎのような4つの層に分けて考えることができます。
名称 | 性能 | 具体例 |
---|---|---|
ベースレイヤー | 吸水速乾性 | 肌着 |
ミドルレイヤー | 透湿性 | シャツ |
サーマルレイヤー | 保温性 | フリース、ダウン |
アウターレイヤー | 防水・防風性 | ウィンドブレーカー、雨具 |
ベースレイヤー

普段着でいうところのTシャツや肌着にあたるものです。
皮膚に直接触れる部分なので、汗を積極的に吸収しては発散させて肌を常にサラサラの状態に保つために着用します。
登山での快適を保つためには必須なので、速乾性が優れたものを選びましょう!
ミドルレイヤー
山シャツや薄手のフリースなど、ベースレイヤーとアウターレイヤーの間に着る中間着が「ミッドレイヤー(ミドルレイヤー)」です。
ミッドレイヤーは、行動着と保温着(サーマルレイヤー)の2種類があります。
行動着にはベースレイヤーから移動した水分を吸水して乾燥させる役割があるので、速乾性と通気性が大切。
サーマルレイヤー
冬にはボタンシャツの上からセーターを着たりしますがそれに相当する体を保温するための服。
空気の層を作って温かい空気を溜めておく役割があります。
登山着においては薄手のダウンやフリースを中心にラインナップしているメーカーが多いです。
アウターレイヤー
外からの雨風の侵入を防いで体温の低下を防ぐ。
街中でもセーターを着た更にその上からジャンバーやウインドブレーカーを着て温かい空気を逃がさないようにして風雨が中に侵入するのを防ぎますが、これがそれに該当します。
全部のレイヤーに共通してもとめられる「透湿性」
以上4つのレイヤーから重ね着は構成されていて、暑さに応じて脱ぎ着して調整します。
4つともそれぞれ役割が異なりますが、共通して必要な機能が「透湿性」という湿気を外に出すという機能です。
登山用の服はベースレイヤーからアウターレイヤーまで透湿性を備えているのはもちろんトレッキング中にあると助かる機能が盛り込まれているので、同じ見た目でもアパレルの服に比べて価格もかなり高く、一気に揃えようとすると大変な出費になってしまいます。
ですからはじめの頃は普段着でも、
- 運動に適した軽くて伸縮性があるもの
- 汗抜けがしやすい化繊などの吸水速乾性ある生地のもの
を選んで着ていき、必要を感じたごとにその都度納得しながら買い揃えていくのがよいでしょう。
機能的な服装で快適なトレッキングを楽しもう!
今回はつぎのようなことについて考えてみました。
- 山で温度が下がる2つの目安
- 登山と服装の関連性
- 基本は4枚の重ね着
- 全部のレイヤーに共通してもとめられる「透湿性」
同じような見た目の服でも登山用の服はアパレルのものと比べ、生地から作りまで保温以外の機能も備えているので快適性も高いけど値段も高いです。
ですから最初から無理に一気に買い揃えず徐々に買い足していきましょう。
機能美に優れていて自然に溶け込んだファッション性の高い服も多いので山でのおしゃれを楽しんでみるのも面白いかも知れませんね。